研究室概要 

研究テーマ:生物の多様性はどのように生じ、多様性にどのような意義があるかを探ること

地球上には実に多様な生物種が存在します。これまでの地球の歴史において、生物は何度も大きな危機に遭遇しながら、総体として存続し続けてきました。その過程で、複雑で多様な機能を獲得していきます。そして、人類が登場します。

地球の生命が何故これだけの長期間、存続し続けてこられたのか、また現在のように多様性を深められたのかに関心を持って研究を行っています。

方法論としては、DNAや遺伝子などの分子レベルの研究に加え、コンピューターで大規模な生命情報を分析したり、実験的に遺伝子やゲノムの多様性をコントロールして研究を進めてきました。キーワードとしては、子孫を残す際に重要なはたらきをする減数分裂期のDNA組換え、私たちの細胞のように「細胞核」を持つ生物の遺伝子制御に重要な「クロマチン構造」(DNAとそれに結合するヒストンなどのタンパク質から構成されます)、DNAだけによらない細胞記憶の仕組みであるエピジェネティクスと細胞の環境適応、遺伝子以外の部分から合成される非コードRNA、そして生物のゲノムを人工的に作ってその機能を調べる合成ゲノム研究、などがあります。

太田研究室のこれまでの歩みとしては、

1. 減数分裂時の染色体組換えの開始機構(組換えホットスポットの研究)の解明

2. クロマチン構造を介したDNA組換えの制御の発見

3. 抗体遺伝子の人工的な再編成の加速によるモノクローナル抗体の迅速作製系ADLibシステムの開発

4. クロマチン構造変化を制御し、遺伝子活性化に関わる長鎖非コードRNA(mlonRNA)の発見

5. 表現型の可塑性を調節するエピゲノムの役割

6. 大規模ゲノム改変系TAQingシステムの研究

などがあります。関心のある方はラボまでご連絡ください。

教授 太田 邦史

 研究項目

1. ゲノム再編とクロマチン構造・エピゲノムの関係
2. 長いノンコーディングRNA(lncRNA)を介したクロマチン再編成・ヒストン修飾の制御
3. 減数分裂期のDNA組換え開始メカニズム
4. ゲノム再編系を利用した新しいバイオテクノロジーの開発